CL(20/21)ラウンド16 1stレグ バルセロナvsPSG[マッチレビュー]

こんにちは!2021年好調なバルサは、国王杯準決勝1stレグでセビージャに完敗したものの、リーガでアラベスに5-1と大勝しました。到頭CLが始まりグループステージ2位通過のバルセロナはいきなりPSGと対戦します。

パリは約2ヶ月前にトゥヘル監督(現チェルシー監督)が解任され、エスパニョールの選手・監督としてもバルサの相手として馴染みがあるポチェッティーノ監督が就任しました。

ポチェッティーノとは相性がいいバルサですが、PSGとはほぼ互角です。とにかくアウェイゴールを奪われずに勝ちたいところです。

スタメン

バルサはほとんど大方の予想通りでしたが、3ヶ月ぶりに戻ってきたピケと、コンディション不良のため欠場が続いていたデストが先発になりました。

パリは残念ながら、チームの要であるネイマールとディマリアが怪我により欠場。同じく欠場されると思われていたヴェラッティは復帰しています。

レビュー

シュート

シュートを打った選手について

バルセロナ
総シュート数12本。基本的にアタッカー陣からのシュートしかなく、中盤の選手のシュートはありません。
しかし、これまでと1番の違いはメッシのシュートの少なさ。メッシはリーガでシュート数57で1位。2位のベンゼマより2倍近くシュートを打っています。しかし、今日は2本のみ。しかもPKとFKによるもので流れからのシュートがありませんでした。パリがメッシを封じてたことが分かります。

・ PSG
総シュート数は16本。バルサと比べると、フィニッシュに関わっている選手が多く、中盤の選手もシュートを行っています。最多シュートはエンバペで6本。フィニッシュの場面ではエンバペが仕事をしており、多く絡んでいたことが分かります。
またアタッカー選手の平均シュート距離は11.3mで、バルセロナはかなり近い距離からシュートを打たれていました。

xG(ゴール期待値)

バルセロナは決定機を2つ作れていましたが1つはPKによるものなので、一旦PK時のxGを抜きにして考えます。とするとバルサxGは約0.98。PSGの方が圧倒的にシュートチャンスを作れていたことが分かります。

戦術等は無視して、両チームの1番の差は大一番での決定力だったと思います。
今シーズンのバルセロナは決定力が異常に低いです。"ゴール数-xG”で算出した決定力では、-2.8で5大リーグ98チーム中80位。

しかしパリも今シーズン決定力があったチームでありません。パリは同様に算出した順位で71位でした。

ただ今日の試合、決定機ミスがチーム1位のエンバペは、決定機4つで3ゴールバルサが決めた決定機はPKのみ。大一番での決定力が1番目に見えてわかる差に感じました。

ビルドアップ

バルセロナ

いつもパスマップを見てる方なら一瞬で分かると思いますが、明らかに今までのバルサと違います。特に大きな違いは2つ。

・1つは右ラテラルの位置。デストは CBの選手とほぼ同じ位置まで落ちていました。これはエンバペを警戒していた為と思われますが、全く前線でボールを受けていませんでした。(アタッキングサードで触ったのは3回のみ。途中出場のミンゲサは11回)

・2つめは中盤の選手(ブスケツ)のタッチ数の少なさ。パリは中盤の選手にボールを与えることをさせなかったので、バルサのビルドアップはU字になっています。

他に気になるところは、ブスケツがサリーダをしなかったことや、ピケからデストへのパスの少なさ等があります。

デヨングとブスケツが完全に重なっていますが、"たまたま"2人の平均ポジションが重なっただけだと思うので問題点にあげることではないと思います。

PSG

こちらも一目瞭然。直近の試合のニース戦、マルセイユ戦でもこれとほぼ同じ様なパスマップで、左サイドに偏っています。

most progressive passing receivedとmost progressive carryingがエンバペになっていること。そしてエンバペにマルキーニョスとパレデスの太い矢印があることからも、エンバペが攻撃の要だったことが分かります。

コーナーキック

  1. パリの選手は真ん中付近に固まり、ニアを大きく空ける。
  2. 基本マンマーク守備で、グリーズマンはニアをケア、唯一空中戦に強いピケはマンマークにつかず真ん中で構える。
  3. 助走のタイミングでパリの選手は2,3人がニアへ、1人がファーへ
  4. ニアで合わせる

特に注目すべき場面ではないですが、セットプレーも狙われている様に感じました。空中戦に強いピケが復帰してきましたが、バルセロナのセットプレーの弱さがなくなるわけではありません。現にコーナーキック からチャンスを1回。フリーキックからゴールを1点決められています。

スタッツ

sofascore: https://www.sofascore.com/barcelona-paris-saint-germain/UHsrgb

whoscored:https://www.whoscored.com/Matches/1516650/Live/Europe-Champions-League-2020-2021-Barcelona-Paris-Saint-Germain

最後に

http://gty.im/1302504957

1-4で敗北。しかもCLにおいてカンプノウで2連敗。2021年に入りバルセロナは好調でしたが、やはりビックゲームで勝つ力はありませんでした。

この試合、1-4で大敗した事やカンプノウで負けたこともショックですが、一番ショックだったのは相手にビビってあまりにも消極的だったことです。

クラブの哲学を語るのは難しいですが、少なくともバルサの哲学として”攻撃的なサッカー”というものがあると思います。シャビがバルサの哲学として一番重要なのは『スペクタルなサッカーをやろうとする気持ち』と言った様に、『攻撃的なサッカーをやろうとする気持ち』が無かったのが残念というか悲しかったです。

準々決勝に進むためにはアウェイで少なくとも4ゴールが必要です。かなり厳しいですが、2ndレグでは消極的ではなく攻撃的なバルサが見たいです。